今回は、実践的なコンパスの使い方を紹介します。
とっさの時、確実に使えるよう練習しておきたいです。
磁北線
地図上の北は「真北」といい、北極点の方向を指しておりますが、
コンパスの針が指す北は、磁北点を指しています。
そして、この磁北点に向かう線を「磁北線」と言います。
磁北線のなす角度を「偏角」と言い、拠点ごとにことなりますが、国土地理院発行の1/25000地形図には
欄外に、その地図の偏角が記されています。
プレートコンパスの各部名称
ま、いざと言うときのために、ひととおり覚えておきましょう。
磁北線の記入
せっかく購入した綺麗な地図ですが、コンパスを使って現在位置を確認するなど、登山で使用する
ためには、あらかじめ「磁北線」を記入しておく必要があります。
①コンパスの進行線上の目盛りが「360-偏角」の値となるよう、コンパスのリングを回転させます。
(例では偏角7度とし、353度となるようにリングを回転)
②地図縦辺とノースマークが平行となるようにコンパスを置きます。
③コンパスの長辺に沿って、鉛筆などで線を引きます。この線が「磁北線」です。
④1Km間隔(=4cm間隔)で、磁北線を描き入れます。
コンパスによっては、4cmのところに補助線が表示されている物もあり、とても便利です。
(写真では、見やすくするため補助線と磁北線をずらしておいていますが、実際にはピッタリあわせて
くださいね。)
⑤定規などを使って、線を伸ばしたら完成です。
目標の方向確認(現在地が分かっている場合)
①地図上でコンパスの長辺を現在地に合わせます。
②次に①の現在地を支点にしてコンパスを回転させ、長辺のどこかを目的にあわせます。
③ノースマークが磁北線と平行になるように、リングを回転させます。
④コンパスを手に取り(地図から離し)、身体の正面にて進行線が前方を向くように構えます。
⑤ノースマークと磁針が一致するまで、身体の向きを回転させます。
磁針が一致したときの進行線の向きが目標の方向です。
現在地の確認(地図上の特徴地点が分かっている場合)
①地図上の特徴地点(山や池など)と、実際の位置を同定します。
②実際の特徴地点にコンパスの進行線を正確に向けます。
(写真では「絵本」が特徴地点・・・)
③②の状態のまま、磁針とノースマークが一致するようにリングを回転させます。
④地図上の特徴地点にコンパスの長辺をあて、そこを支点にノースマークと磁北線が平行になるまで
コンパス自体を回転させます。
⑤コンパスの長辺上のどこかに現在地点があります。
登山道にいれば、地点の特定が行えることでしょう。
※登山道も不明な場合は、別の特徴地点をもう一カ所探し、同じ操作を繰り返すことで、長辺の
重なるポイント=現在地を特定できるハズです。
さて、講習会では座学の後、野外に出て実際に試してみました。
実際にやってみると、頭では分かっていると思っていても出来ないものですね。
最初は、あれ~?なんて言ってましたが、どうにか位置の特定に成功しました。(笑)